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利器材について

2018年1月25日その他

和包丁は鉄と鋼を鍛接するのが一般的ですが、現在は利器材という材料が存在します。この利器材というのは、あらかじめ鍛冶職人が仕入れをする段階で、既に鉄と鋼がひっついており、鍛接する必要がない鋼材のことを言います。つまりは、材料メーカーで既に鋼材が完成しているということになります。

かつては、堺でも両刃を製作する際は三枚打ちと呼ばれる手法で、鉄・鋼・鉄を鍛接していたのですが、時間や労力に見合うだけの価格がつけられず、またその技術を有している鍛冶職人も減っていることもあり、堺で製作する両刃は大半が利器材での和包丁となっているのが実情です。

三枚打ちで作られる包丁は、元々鉄と鋼がひっついている利器材で作られる包丁に比べると、鍛冶職人が叩く回数が多いので、切れ味がより良いと言われています。

また、片刃に関しては、銀三などのステンレス系の包丁の材料において、利器材が多くなっているようです。銀三を鍛造・鍛接するのは非常に難しく、手間もかかる上にロスも多くなるようで、今は利器材が主流のようです。

利器材から作られた包丁の見分け方ですが、刃の部分が直線できれいに出ている場合は概ね利器材と思って間違いないと思います。手作りで鍛接すると、刃の部分はランダムに波を打ちます。これが手作りの良さですね。

ここまでの話で利器材の包丁は優れていないのかということになるかと思いますが、利器材も材料メーカーが試行錯誤してより良いものになっているので決して悪い商品というわけではありません。費用対効果という面ではある意味合理的であり、時代の流れに沿っているのかもしれません。

一方で堺は和包丁の産地である以上、鍛接・鍛造の技術を大切にし、良質な包丁を世に送り出していくべきとも考えています。

次回は、少し包丁とは離れて、まな板についてお話したいと思っています。