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砥石の種類 ~人造と天然とダイヤモンド~

2017年6月25日砥石

天然砥石 正本山

さて、先日のブログで砥石についてお話すると書きましたので今日は砥石について基本知識となる部分だけお話したいと思います。

 

最近は砥石というと、巷に出回っているのはほとんどが人造砥石になります。

 

人造砥石はその名の通り、人工的に作られた砥石です。一方で天然砥石と呼ばれるものは、岩石や地層から発掘された石材になります。天然砥石は天然であるが故に、同じ産地であっても、採取する箇所によって個体差があるのも特徴の一つです。

 

また、天然砥石は、産地によって荒砥なのか中砥なのか仕上砥なのか変わってきます。ご興味のある方は一度調べられても面白いと思います。

 

天然砥石について少しお話しますと、
我々は、包丁を研ぐ際、最後に仕上げで天然砥石を使ったりすることがあります。これにより切味が増し、刃持ちがよくなります。
これは砥石の中の砥粒の形状に因るとされています。人造砥石の砥粒は一般的に六角形状をしていますが、天然砥石の砥粒は楕円形状をしており、それが仕上げに最適となっています。天然砥石の砥粒がこのような形をしている理由としては、海中のプランクトンの遺骸が化石となり、それが粘土などと混ざったことに因ると言われています。

 

しかし、今では天然砥石の採掘が終了している産地が増えているという問題や、人造砥石の台頭により、天然砥石は、ほんの一部の愛好家に用いられるに留まっています。
ちなみに、天然砥石は、保管についても細心の注意を払う必要があるため、それが面倒と感じられる方も少なくないようです。弊社も天然砥石は扱っていますが、なかなか購入される小売店様は少ない状況です。

 

ちなみに堺の刃付師は、九州の天然砥石を好む方が多く、現在は採取できなくなっていることから、試行錯誤されている方が多いようです。

 

最後に少しおまけですが、人造砥石と天然砥石以外にはダイヤモンド砥石というものがあります。ダイヤモンドは皆さんご存知の通り、世界で最も硬く、刃付きが早く、また、高硬度の包丁にも対応できます。但し、これは、人造砥石や天然砥石のように水を用いて使うわけではなく、刃にダメージを与えてしまうので、刃かけなどの際に使うなど補助的な役割で使われることが多くなっています。

 

次回は砥石の使い方について少しお話したいと思います。

 

※写真は京都の合砥(天然砥石)です。