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砥石・研ぎ方の基本

2017年7月27日砥石

前回のブログでは主に天然砥石についてお話したので、今回は人造砥石について少しお話しようと思います。

砥石は大きく分けて荒砥石、中砥石、仕上げ砥石の3種類あり、砥石はそれぞれに粒度が設定されています。砥石の粒度は砥石の中に含まれた「砥粒」の大きさが基準になります。荒砥石は、最初に用いて、刃の部分を研ぎだします。また、欠けた刃を補正する際にも用います。そのあと、中砥で荒砥の粒子で研いだ痕を取り除き、刃に粒子が当たる傷を細かくしていきます。ここまでで全体のほぼ8~9割終了しています。そして、最後に仕上げ砥で中砥の粒子で研いだ痕を取り去り、刃の傷がほぼなくなり、鏡のように滑らかになります。仕上げ砥石には、切味を持続させる働きもあります。
 
荒砥石をあてただけだと、刃先にまだ砥石をあてた痕が残っており、刃も大げさに言うと(顕微鏡レベルでですが)ぎざぎざになっているので切れません。それに中砥石や仕上砥石をあてることで刃を滑らかにし、切れるようにするのが大まかな理屈になります。
 
大まかですが、粒度が400以下が荒砥石、3000以上が仕上げ砥、その間が中砥石とされています。また、8000以上は超仕上げ砥と呼ばれたりもします。
 
一般的には、鋼の包丁は硬めの砥石が良く、ステンレスの包丁は軟らかい砥石が良いとされています。但し、粉末ハイスや本焼のような極端に硬い包丁になると軟らかい砥石が良い場合もあります。結局は研ぐ人の好みや相性が大きいですので色々と試して自分に合った砥石を探されるのが良いかもしれません。
 
人造砥石の製造法ですが、大きく分けて焼き物と練り物の2種類があります。焼き物は、研磨力に優れており、荒砥石がほとんどです。練り物は均質なのが特徴で、中砥石・仕上げ砥がほとんどです。練り物については、温度変化に弱いので、保管に気をつけなければなりません。焼き物の方は、泡がでなくなるまで水によく浸す必要があり、逆に練り物の方はほぼ水に浸す必要はありません。
 
また、砥石の手入れで最も重要なのは、砥石の上面(研ぐ面)を平らに保つことです。砥石は使っていると中央が減り、端が高くなるのが一般的です。この状態だと上手く研ぐことができないので、面直し砥石で砥石の上面を平にする必要があるのです。堺の刃付け師も常に砥石を平らにすることを心掛けています。
 
また、簡易シャープナー(包丁を前後にこすって研ぐ器具)ですが、これは包丁の刃の先端だけを鋭くしているので、すぐ切れ止みます。突貫的治療程度に思っていただくのが良いかもしれません。
 
今日は砥石の非常に基本的な部分についてお話しましたが、またどこかでニーズがあれば、専門的なお話もできればと思います。
 
次回は本焼について少しお話する予定です。
 
※写真は左から荒砥石・中砥石・仕上げ砥石です。