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包丁の鋼材に使われる主な元素について

2018年4月25日その他

今日は包丁の鋼材に使われる元素についてお話したいと思います。鋼材に使用される元素は多岐に渡るのですが、今日は代表的な部分だけご紹介しようと思います。

・炭素
炭素鋼とよくいわれますが、その炭素です。鋼を硬くする唯一の元素と言われています。白三鋼から白一鋼また青一鋼にかけて、炭素量は増えていき、切味が増していきます。

・クローム
白鋼から青鋼になるときに添加されます。添加すると、長切れするようになります。更に添加量を増やすと、耐食性や耐熱性が増します。
クロームは、ステンレス鋼材にも含まれる元素で、鋼に含まれるFeと結合し、錆びに強くなります。ステンレスになるクロームの含有量は定義上12%以上必要とされています。V1からV10にするときにも使用されます。(V1にも元々含まれています。)

・モリブデン
V1からV10にするときに使用されます。(V1にも元々含まれています。)少量添加すると、粘り強さがでます。また、強度と硬度も上げます。よくモリブデン鋼と言われますが、モリブデン鋼はモリブデンを含んでいる鋼材全般の呼称です。これは、白一鋼のように特定の鋼材の名前ではなく、モリブデンを含む鋼材を広く「モリブデン鋼」と呼んでいます。

・タングステン
白鋼から青鋼になるときに添加され、強度と硬度をあげます。モリブデンの方が同効果は大きいです。

・ヴァナジューム
V1からV10にするときに使用されます。炭素と結合し、長切れするようになります。また、鋼の結晶を細かくし、硬くします。

・コバルト
V1からV10にするときに使用されます。粘り強さ・耐食性・耐熱性を高めます。洋包丁ではコバルト仕上げと読んだりするものもあります。

最近は、鋼材鋼材と言われますが、鋼材によって何が違うのかは元素を理解しているとわかりやすいかもしれませんね。